2020M-1マヂカルラブリーに学ぶ伏線回収|「笑いは全て伏線」by松本人志

賞レースのネタで、必ずチェックされるのが構成力の項目。

理想的なのは笑いの量が尻上がりに増え続ける、エスカレーション的な構成です。

今回は、松本人志さんが『ダウンタウンなう』で口にしていた言葉「笑いなんか伏線」という言葉。

そして2020年のM-1グランプリで優勝したマヂカルラブリーを例に挙げながら、伏線と回収方法について解説します。

「笑いなんて全て伏線やから」に込められた思い

2016年11月25日に放送されたフジテレビ系列の番組『ダウンタウンなう』。

ゲストの吉岡里穂さんがお笑い的なパスに気づかずスルーした直後、ダウンタウンの松本人志さんが「笑いなんて全て伏線やから」と発言。

同じ下りやボケを繰り返す天丼テクニックに長けている松本さんは、常に伏線の張り方と回収方法を頭に入れながらトークしているはず。

そもそも笑いにおける伏線とは何なのでしょう?

「伏線=フリ」「回収=オチ」

大阪人は、オチを極度に重視する傾向があります。

誰かの話を最後まで聞いて、「えっその話オチないんかい!」「でオチは!?」と尋ねる習慣があることからも、それがわかります。

オチは単独で存在していることは極めて少なく、フリとワンセットになっているものがほとんど。

フリに対する解説は、また別の記事で詳しく記すため今回は深堀しませんが、ざっくりと捉えた場合、「伏線がフリで伏線の回収がオチ」という認識で間違いないでしょう。

2020M-1GPでのマヂカルラブリー優勝は伏線回収の成功ゆえ?

コロナ禍の中、当初は開催さえ危ぶまれたM-1グランプリでしたが、蓋を開けてみれば過去最高となる5,081組が参加。

12月20日の日曜日に行われた決勝も、大いに盛り上がりました。

注目すべきは、やはりマヂカルラブリーのお2人。1stRoundで、見事な伏線回収をやってのけたのです。

しかもそれが、ネタに入る直前の登場だったので、インパクトは絶大でした。

土下座で登場した野田クリスタル

2020M-1GPは、登場する前にコンビ紹介の煽りVTRが流れて、そこから舞台の下から出場者がせりあがってくる演出でした。

そこで野田クリスタルさんが、早速仕掛けていたのです。

なんと土下座を彷彿とさせるような謝罪姿勢で登場。これだけで大きな笑いが発生。

ここでの伏線は、さかのぼること3年前のM-1。初めてM-1の決勝に進んだのはよかったものの、紅一点の審査員である上沼恵美子さんから「(そんなネタで)よう決勝残ったな!」「好みやない!」と強烈なダメ出しを受け撃沈。

2020年のM-1でも、審査員を務めていた上沼さん。視聴者の楽しみ方として「野田クリスタルが上沼恵美子にどんな絡み方をするのか?」というのは、きっとあったでしょう。

この期待を見事に伏線とし、ネタ前の謝罪パフォーマンスで、みんなの心を鷲掴みにしたのです。

ネタの冒頭でも「どうしても笑わせたい人がいる男です」と、上沼さんをイジるような伏線回収をし、笑いをとりました。

伏線回収が見事ハマり受けやすい空気に!

2020年のM-1は、まさに混戦。2stRoundでも票が

マヂカルラブリー……3票
見取り図……2票
おいでやすこが……2票

と、かなり割れました。

もし1stRoundで、野田クリスタルさんの伏線回収がなければ、空気が変わり、ネタの受け方がもう少し弱くなっていた可能性が高いでしょう。

ちなみに決勝の1stRoundで「高級フレンチ」のネタにしようと決めたのは、順番5番目の、おいでやすこがさんのネタが終わった直後。まさにギリギリの決断。

ギャンブル的要素も強かったですが、振り返るとマヂカルラブリーの仕掛けがことごとくハマったM-1だったといえます。

優勝するには運を味方につけるだけでなく、しっかりとした伏線回収の技術が求められることを証明した大会となりました。

※M-1公式サイトの動画より(登場シーンは1分前後)▼

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