スカシとは、ボケに対してツッコミを入れずスルーするお笑いの技術。

見ているお客さんは「ここはツッコむだろう」と予測しているため、ツッコまないという裏切りで笑ってしまうのです。

スカシに特化した、スカシ漫才というジャンルがあります。

2017年に 13回M-1グランプリの王者に輝いたとろサーモンのおふたりは、一時的スカシ漫才を披露されていました。

ほとんどの笑いはボケとツッコミで成り立っているので、その中にスカシ漫才が入れば目立ちやすいのは確かでしょう。

しかし、とろサーモンがスカシ漫才ばかりの仕事が増えた際に、ボケへツッコミを入れられないという枷があることで苦しまれたことがあったそうです。

このように、スカシ漫才にのみフォーカスしすぎると笑いの形が限定されるという難点も……。

アンタッチャブルがバリエーションのひとつとしてスカシを入れていたように、あくまでたくさんある武器の中のひとつにしておくというのもひとつのやり方ですね。